アメリカ・カリフォルニアのエモ/インディーロックバンドawakebutstillinbed初来日決定!
全5公演に、2020年以来2度目の来日となるフィリピン・マニラのエモ/マスロックバンド・Thirdsと、現行日本インディーシーンで唯一無二の眩い輝きを放つ静岡のインディーパンクトリオ・Tomato Ketchup Boysが帯同。アメリカ、フィリピン、日本、それぞれ異なる場所のDIYインディー/パンクシーンで活動してきた3組が、大阪、名古屋、静岡、東京を5日間で巡る。
awakebutstillinbed (Berkeley, California)
awakebutstillinbedは、アメリカのDIYパンク/エモシーンでカルト的な支持を集めるカリフォルニアのバンド。2018年、Tiny Enginesから1stアルバム『what people call low self-esteem is really just seeing yourself the way that other people see you』をリリース。静かなギターと歌から、突如として轟音と絶叫へ振り切れる大きなダイナミクス。エモ、インディーロック、ポストハードコアを行き来しながら、剥き出しの感情までそのまま音にした楽曲で大きな注目を集めてきた。
同1stアルバムの中でも、awakebutstillinbedの世界観を象徴する代表曲のひとつが「life」だ。冒頭では、“I couldn't get my life back, I couldn't save myself.”──「人生を取り戻せなかった。自分自身を救うこともできなかった」と歌われる。母親から投げかけられた言葉、2003年夏のテキサスの記憶、周囲の世界が遠ざかっていくような感覚、孤立することで自分を守ろうとしながら、同時に自分自身の価値まで削ってしまうこと。「life」では、そうした過去の記憶と、その経験によって形作られていく自己認識がほとんど途切れることなく綴られていく。
アルバムタイトルにもなった『what people call low self-esteem is really just seeing yourself the way that other people see you』──「“自己評価が低い”と言われる状態は、実はただ、他人の目を通して自分自身を見てしまっているだけなのかもしれない」という長いフレーズは、もともとギター・ボーカルのShannonの友人がFacebookに投稿していた言葉だったという。その言葉が長く頭から離れず、のちに「life」とアルバム全体を結ぶ核になった。
Shannonはそれについて、鬱の中にいると、自分に対する低い評価が単なる感情ではなく、まるで現実そのものを正しく見ているように感じられてしまう──そんな感覚を端的に表していたと説明している。つまりawakebutstillinbedが描くのは、単純な悲しさや自己嫌悪ではなく、自分自身を見つめる視線と、他人から向けられる視線とがいつの間にか重なり、その境界が分からなくなっていくような感覚でもある。一方で、「life」は音楽的には意外なほどポップだ。Shannon自身、この曲はBelle & Sebastianから大きな影響を受けたと明かしており、叫ぶようなボーカルを取り除けば、コード進行や曲の構造自体はいわゆるエモらしいものではないとも話している。激しい絶叫や轟音に耳を奪われながら、その奥には非常に耳に残るメロディとポップソングとしての強さがある。その両方が同時に存在しているところにも、awakebutstillinbedというバンドの魅力がよく表れている。
その5年後の2023年には、同じくTiny Enginesから2ndアルバム『chaos takes the wheel and i am a passenger』を発表。大きくうねる展開、ノイズの壁の向こうから浮かび上がるメロディ。1stの荒々しい衝動を残しながら、より広がりのあるダイナミックなサウンドへと踏み込んだ。2枚のアルバムはいずれもアメリカ最大級のインディーメディア・Pitchforkでも取り上げられ、awakebutstillinbedは作品とライブを積み重ねながら、USのDIYパンク/エモシーンの中で独自の立ち位置を築いてきた。
その活動を追っていくと、現在のシーンにおける彼らの立ち位置もよく見えてくる。2025年にはAren't We Amphibians、California Cousins、your arms are my cocoonとの4-way Split『fourwaysplit』に参加。現行のエモ、screamo、DIYパンクをそれぞれ異なる角度から鳴らす4組が集まった作品で、新たな世代の横のつながりを形にした。
Nothing Feels Realとしても馴染み深いAren't We Amphibiansをはじめ、Home Is WhereやYour Arms Are My Cocoonなど同世代のDIYバンドの多くから崇拝される一方、近年はSnowing、Mariettaなどの2010年代のエモレジェンドの面々とツアーするなど、2010年代以降のエモ/DIYシーンを支えてきたバンドと現在進行形の世代、その両方と同じフロアに立ちながら活動を続けているのもawakebutstillinbedの面白いところだ。
2025年にはBest Friends Forever Festにも出演。同フェスにはJawbreaker、Jimmy Eat World、Mineral、Texas Is the Reason、Cursive、Tigers Jawなど、エモ/インディーロックの歴史を作ってきたバンドから現行世代までが集結しており、awakebutstillinbedもそのラインナップに名を連ねた。
そして彼らには、初来日前から日本との少し面白い縁もある。
2023年、日本のX上でawakebutstillinbedを紹介した投稿が、大きく拡散された。スペースを一切開けない長いバンド名に「起きてるけどまだベッドの中」という共感性の高い、特徴的なバンド名が突然多くの日本の音楽ファンの目に届いた。その投稿はawakebutstillinbed本人たちにも届き、バンドもそれに反応した。まだ一度も日本でライブをしていないアメリカのDIYパンクバンドの名前が、思わぬ形で日本のSNS上を駆け巡った出来事だった。それから約3年。ついに初の日本ツアーが実現する。
今回、awakebutstillinbedとともに来日するのが、フィリピン・マニラのThirds。
Thirdsは、エモやマスロックを軸に、煌めくギターの旋律と変則的なリズムを重ねながら、インディーロックやオルタナ、メロディックパンクを踏襲したサウンドが特徴の3ピース。
いわゆる技巧そのものを前面に押し出すタイプのマスロックとは違い、複雑なアンサンブルの中心には常に歌があり、何よりメロディが強い。細かなギターフレーズやリズムが絡み合いながら、その向こうには思わず口ずさみたくなるようなポップさがある。
Pool KidsやSweet Pillのように、エモやマスロックの複雑さをポップな歌へ落とし込む流れにも通じながら、それをマニラのパンク/インディーシーンから鳴らしているのがThirdsだ。緻密な演奏と親しみやすいメロディ、その両方を無理なく同居させているところに彼女たちならではの魅力がある。
2020年2月、Nothing Feels Real招聘のもと、Thirdsは初めて日本をツアーした。当時すでにTiny Moving Parts、Mae、Chinese Football、Forestsなど、USとアジアのエモ/マスロック/インディーロックをつなぐバンドたちとの共演を重ね、フィリピンのみならずアジア圏でも注目を集めていたThirds。この来日が2020年2月以来、約7年ぶり2度目の来日となる。
そして、この2組と全5公演をともにするのがTomato Ketchup Boys。
Tomato Ketchup Boys (Shizuoka, Japan)
静岡を拠点に活動するインディーパンクトリオで、パンクの衝動やインディーロックの芯の強さ、エモやオルタナにも通じるメロディを、"トマケチャ" らしい等身大なバランスで鳴らしている。
粗さを残したギターが勢いよく鳴る一方で、曲の中心にはいつもしっかりと歌がある。力いっぱい鳴らしているのにどこか軽やかで、蒼さもあるのに懐古的ではなく、鮮烈に届く強さを持つ。ライブでその音に触れると、今この瞬間にバンドをやっていることそのものの楽しさが、こちらまで伝わってくるような魅力を持つバンドだ。
6月に開催したSoftcult Japan Tour 2026では全公演に帯同。京都、静岡、新宿、新代田と各地をともに巡り、毎晩しっかりとフロアを温めながら、ツアー全体にとても良い空気を作ってくれました。海外のバンドと一緒に各地を巡り、その土地ごとのお客さんやローカルバンドの中へ自然に入っていけること、ライブそのものはもちろん、ツアーを一本通して一緒に作っていけること。今回のツアーでも、awakebutstillinbed・Thirds両バンドとの共鳴はもちろん、その存在感を十二分に発揮してくれると思っています。
音楽性も、それぞれが育ってきたシーンやバックグラウンドも違う。それでも、DIYな環境の中で自分たちのやり方を大切にしながら音楽を続けてきた姿勢や、自分たち自身の経験をもとに音を紡ぐところには、間違いなく3者間で共鳴するものがある。
アメリカ、フィリピン、日本──それぞれ違う場所で活動してきた3組が、今回は5日間をともに巡る。エモで、パンクで、インディーロックで、時に衝動的で、時に感傷的。それでもどこか根っこの部分で通じ合う3組だからこそ生まれる5日間を、ぜひ目の当たりにしてほしい。
主催・企画・制作:Nothing Feels Real


